あの人がオススメするワープ

神奈川・横浜は驚くほど大きく異なる様々な文化がある。今も寺院が点在する古都・鎌倉から、開港をきっかけに西洋文化が花開いた港町・横浜。グルメでは中華、フレンチ、アメリカンな料理など、様々な国の食文化が根付いている。

ゆかりのある方々が、神奈川・横浜を舞台におススメの旅を紹介。

伊藤紺(いとう・こん)さん
伊藤紺(いとう・こん)さん

旅する人

伊藤紺(いとう・こん)さん

歌人。1993年、東京都生まれ。

横浜での居住経験を持つ。「海のある景色もそこに根付く文化も素敵で、いつでも憧れの地」と語るほど、神奈川への愛は深い。

長い歴史に息づく、
人々の思いに触れる旅

数年前に横浜で暮らし、人生の節目で鎌倉に何度も訪れてきた歌人・伊藤紺さん。旅の始まりは、武家文化の面影を色濃く残す鎌倉。鶴岡八幡宮の荘厳な空気に触れ、「手水舎の水の冷たさや、一つひとつの形式の美しさに、心が清まるのを感じます」と背筋を伸ばす。
そこから一転、港町・横浜へ。「今回、初めてお邪魔します」と、やや緊張した面持ちの伊藤さんが訪れたのは、ホテルニューグランド。目の前に現れた「大階段」をはじめ、重厚な建築や調度品に目を奪われ、「ここを造り、守り継いできた人々の静かな情熱と、とびきりの愛情を感じます」と心を躍らせる。
かつて幕府が置かれた日本の重要地と、国際交流の拠点。その2つが近接した神奈川の奥深さに触れ、「長い歴史の中に息づく人々の夢や思いから、たくさんの力をもらえました」と伊藤さん。時空を行き来するような旅は、土地に流れる生きた空気を改めて感じさせてくれる。

SPOT 01

鶴岡八幡宮

古都・鎌倉で、武家文化に触れる

旅の始まりは、武家文化の面影を色濃く残す鎌倉。まず向かったのは、約800年の歴史を持つ、鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝ゆかりの神社「鶴岡八幡宮」。武士が馬上から矢を放つ「流鏑馬(やぶさめ)」や、魔除けの縁起物「破魔矢(はまや)」の発祥の地としても知られ、武士の精神文化が今も息づく場所でもある。武運や勝利の神として、国内外からたくさんの参拝客が訪れる。

舞殿(下拝殿)

源義経を慕った静御前(しずかごぜん)が義経を思い、舞を奉納したと伝えられる跡地に建てられている。参拝したら、鎌倉の街を一望できる「本宮(上宮)」へ。「この迫力に後押しされ、鎌倉の武士が参拝していた光景をいつも想像してしまいます」と伊藤さん。

鳩みくじ

「八幡様のお使い」とされる鳩にちなんだ「鳩みくじ」は、「白旗神社」近くの授与所で頒布されている。全7色ある中から、伊藤さんがひいたのは緑色。中から小ぶりで愛らしい鳩のお守りがお目見えし、「かわいい……! 旅の思い出にも嬉しいです」と晴れやかな笑顔を見せた。

柳原神池

毎年6月上旬、夜に蛍を放ち、その光を楽しむ「蛍放生祭」が行われる「柳原神池」。都会の喧騒から離れ、伊藤さんは「時間の流れを忘れてしまいそうです」と、心癒された様子。

SPOT 02

ホテルニューグランド

異国文化が花開いた、横浜のクラシックホテル

鎌倉から電車に30分ほど揺られ、港町・横浜へ。伊藤さんが数年前まで暮らしていた所縁ある土地だ。そんな縁の深い街で、伊藤さんが「昔から気になっていた」と初めて訪れたのが、1927年開業の「ホテルニューグランド」。本館は正統派のヨーロピアンスタイルで、大階段をはじめ、重厚さと高級感が漂う空間が広がる。横浜港を一望できる18階建てのタワー館も魅力的。

ザ・ロビー

高い天井と石造りの太い柱、大きな窓が印象的な本館2階の「ザ・ロビー」は、宿泊者以外も利用可能(本館宴会場開催時を除く)。目の前に現れた「大階段」をはじめ、重厚な建築や調度品に目を輝かせ、「ここを造り、守り継いできた人々の静かな情熱と、とびきりの愛情を感じます」と心を躍らせる。開業当時から大切に使われている「横浜家具」が配され、旧フロントや当時高級車1台分の価値があったという「キングスチェア」など、見どころ満載。キングスチェアのひじかけには「勝利の女神」とされる天使ニケが彫られており、“そっと顔をなでると幸せになれる”というジンクスがあるという。

ザ・カフ

本館1階にある「コーヒーハウス ザ・カフェ」で、プリン・ア・ラ・モードをオーダー。運ばれて来た瞬間に伊藤さんの目が輝いたこちらは、戦後、GHQ将校とともにホテルで暮らしていた夫人を喜ばせたいという思いから誕生。プリン・ア・ラ・モードはフルーツやアイス、クリームが楽しめ、満足感たっぷり。「手作りのプリンとアイスクリームが、濃厚なのにすっきりとした口当たりでおいしい」と、食べ進めるごとに笑顔に。

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観光スポットはこちら

写真:覚園 寺提供

SPOT 03

覚園寺

幽玄な静けさに包まれる寺院

1218年に第2代執権・北条義時が建立した大倉薬師堂を前身とする寺院。境内奥から背後の山稜へと連なる地形が、鎌倉でも屈指の幽玄で静かな宗教空間を生み出している。

写真:覚園 寺提供

SPOT 04

報国寺

竹林に包まれて、お抹茶でひと休み

「竹の寺」として親しまれる、約2,000本の竹林「竹の庭」が魅力の寺院。竹林の中には苔むした石やお地蔵様、石塔が点在し、幻想的な雰囲気が漂う。抹茶をいただきながら休憩できる茶席「休耕庵」では、美しい竹林を望みながら、心洗われる景色を堪能できる。

SPOT 05

外交官の家

明治の外交官の暮らしを体感

東京・渋谷に建てられた明治期の外交官住宅を、横浜・山手エリアに移築・復原。アメリカ人建築家のJ.M.ガーディナー設計の洋館で、八角形の塔屋や景観と調和した庭園が印象的。室内には家具や調度類が再現され、当時の外交官の暮らしを体感できる。付属棟には、喫茶スペースも。

SPOT 06

ベーリック・ホール

装飾美に満ちた、スパニッシュ様式の洋館

イギリス人貿易商のB.R.ベリックの邸宅として1930年に建てられた、山手最大級の外国人住宅。設計はJ.H.モーガン。3連アーチの玄関や瓦屋根の煙突が印象的なスパニッシュ様式で、内部にはパームルームや化粧梁組天井のダイニングなど、装飾豊かな空間が広がる。

伊藤紺(いとう・こん)さん
伊藤紺(いとう・こん)さん

旅する人

ミネシンゴさん

編集者。1984年、神奈川県横浜市生まれ。

全国各地のローカルを取材し、メディア構想、店舗プロデュースを行ってきた。

異国情緒を
味わい尽くすグルメ旅

中華、フレンチ、アメリカンな料理。神奈川には様々な国の食文化が根づいている。その一皿一皿の奥には、港町として積み重ねられてきた歴史の気配がある。横浜、鎌倉、三崎など神奈川を拠点に活動してきた編集者・ミネシンゴさんとともに、世界各国の料理を味わう食の旅へ。

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