藤沢発祥のぶどう 『藤稔』 ~地元愛と情熱が生んだ大粒の逸品~【食のコラム】

藤沢発祥のぶどう 『藤稔』 ~地元愛と情熱が生んだ大粒の逸品~【食のコラム】

『藤稔(ふじみのり)』は、藤沢市の青木果樹園で誕生した由緒あるぶどう。大粒で糖度が高く、皮が剥きやすいことから人気を集め、今では全国各地で栽培されています。昭和60年に品種登録され、「藤沢の大地に実る(稔る)」との願いを込めて名命。地元愛と情熱が結実した、藤沢を代表する逸品です。

※本コラムは、かながわガイド協議会構成団体である「NPO法人神奈川区いまむかしガイドの会」より寄稿いただきました。

“葡萄”に懸けた男のロマン:藤稔誕生秘話

昭和48年当時、藤沢で本格的なぶどう栽培は行われていませんでした。地元農家10名ほどが挑戦する中、青木果樹園の青木一直さんは、その土地にあった品種を自ら育てようと決意。試行錯誤の末、“ぶどうのレジェンド” 井川英雄氏との出会いを経て、『藤稔』を完成させます。通常、育種から品種登録まで30年以上かかることもあるのに、僅か7年で達成。二代目の青木一夫さんは「父は幸運だった」と語りますが、その裏には並々ならぬ努力と作業の積み重ねがあったに違いありません。

受け継がれる『藤稔』の二代目の樹

ぶどうの木にも寿命があります。現在藤沢で収穫されている『藤稔』は、原木から二代目、三代目へと受け継がれています。こちらは、2025年「藤沢市果樹持寄品評会」で優特賞に輝いた「安田果樹園」の『藤稔』。この時はすでに収穫を終えていましたが、二代目の木は今も実を稔らせています。この地域の『藤稔』は木で完熟させるので、収穫はやや遅め。生産量も限られているため、直売が中心で、発送注文は早めの予約がおすすめです。

『藤稔』の魅力と美味しい食べ方

優秀なぶどうは、病気に強い丈夫な母と、肉質・糖度に優れた果実を実らせる父との間でしか、生まれないそうです。人間は本人の努力次第ですが、ぶどうは努力できない、ということでしょう。青木果樹園では、消費者ニーズに応えた新しい品種の育種にも力を注いでいます。消費者の要望は「種のない甘味の強い品種」ですが、実は種ありの方が味も良く、皮の内側・種の周りが一番美味しい部分。『藤稔』は皮ごと食べるのが断然おすすめです!

地元の愛が詰まった絶品スイーツのお店 「お菓子のアトリエ ニコラ」

2015年、藤沢市遠藤にオープンした「お菓子のアトリエ ニコラ」は、地元産の食材をふんだんに使った、“藤沢の味”を楽しめるケーキ屋さん。シェフの実家で育てられた藤沢特産の『藤稔』を贅沢に使用したスイーツをたくさん扱っています。「藤稔レーズンサンド」は、ドライ加工で一年中楽しめる逸品。一粒まるごと入ったサクサクの生地と軽やかなバタークリームとの相性が抜群。また、フレッシュな『藤稔』を主役にした季節限定『藤稔』ケーキは、この上なく贅沢な味わいです。 地産地消にこだわる藤沢の味、『藤稔』スイーツをぜひご賞味ください!

※本コラムは、かながわガイド協議会構成団体である「江の島・藤沢ガイドクラブ」より寄稿いただきました。
  • 神奈川県PRキャラクター かながわキンタロウ
    神奈川県PRキャラクター かながわキンタロウ
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