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「明治政界の奥座敷」大磯町と時代香る二宮町を訪ねる

「明治政界の奥座敷」大磯町と時代香る二宮町を訪ねる

二宮町・大磯町は神奈川県の南西部に位置する町。
今でこそ海水浴場発祥の地のイメージが強いですが、江戸時代には宿場町として発展し、明治中期から昭和初期には伊藤博文や吉田茂など、政財界要人の別荘地として栄えたエリアです。
海と山に囲まれたレトロなこの町の文化遺産や、歴史的にも貴重なスポットをご紹介します。

明治政界の歴史を訪ねる旅は、二宮駅からスタート

横浜駅から東海道本線に乗って約45分。緑があふれ、小鳥のさえずりも聞こえるJR二宮駅は駅に足を下ろした瞬間から、時間がゆっくりと流れているのを感じます。
二宮駅の電車の発車メロディは、二宮のシンボル「吾妻山公園」に広がる早咲きの菜の花にちなんだ『朧月夜(おぼろづきよ)』。「菜の花畠(ばたけ)に 入日薄れ♪」と歌詞に菜の花が出てくるのです。懐かしい曲に耳を傾けながら、これから始まる歴史を訪ねる旅に期待が膨らみます。

日本史研究の資料館としても貴重な存在「徳富蘇峰記念館」

二宮駅から徒歩約10分、閑静な住宅街を抜けると見えてくるのが「隠れた明治・大正・昭和の手紙アーカイブ館」と言われる、知る人ぞ知る「徳富蘇峰(とくとみそほう)記念館」です。

タイムスリップしたような不思議な空間には、その名のとおり明治・大正・昭和の三時代にわたって言論・出版などで活躍した、徳富蘇峰の蔵書、原稿、揮毫(きごう)、書簡、遺品が収蔵・展示されています。日本史研究の資料館として知られるこの記念館は、1969年に徳富蘇峰の秘書を務めた塩崎彦市によって邸内に建設され、塩崎の死去にともない「徳富蘇峰記念塩崎財団」が設立、その歴史的資料の豊富さから博物館として一般公開されるようになりました。

展示されている中でも面白いのが当時の三越からのダイレクトメールと三越のフロア案内図。現代でも通用するデザイン性の高さに、思わず見入ってしまいます。歴史に名を残す政界人、著名人からの手紙を見るだけでも価値がありますが、その時代背景まで知ることができるのは当館ならではです。

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コレクター徳富蘇峰とは
コレクター徳富蘇峰とは

徳富蘇峰は「国民新聞」を創刊し、ジャーナリスト、歴史家として活躍した人物。館内にはあらゆるジャンルの要人からの約4万6千通にも及ぶ手紙が残っています。展示されている手紙を見ると、誰もが一度は名前を聞いたことがある名前がずらり。95年の生涯で「勝海舟から中曽根康弘まで」と言われるほど、幅広い著名人との人脈を築いた徳富蘇峰のコレクションをとくとご覧あれ。

湘南の丘陵と海の歴史を学べる「大磯町郷土資料館」

大磯町郷土資料館は県立大磯城山公園(旧三井別邸地区内)の中にあり、大磯と周辺地域の豊かな風土を湘南の丘陵と海というテーマとし、展示・教育普及などの活動を行っている地元密着型の資料館。

なかでも常設展で展示されている別荘文化では日本の歴史に名を残す各界の要人の名前がずらりと並んでおり、興味がそそられます。
伊藤博文、山県有朋、大隈重信、西園寺公望、寺内正毅、原敬、加藤高明、吉田茂が別荘もしくは邸宅を構えたそう。
大磯が「明治政界の奥座敷」と称されるのが、理解できるラインナップです。

元内閣総理大臣が愛した近代数寄屋建築「旧吉田茂邸」を歩く

県立大磯城山公園の南側、遊歩道を歩いて行くと木製看板に「旧吉田茂邸地区」の文字が。立派な門をくぐると旧吉田茂邸が見えてきます。
ここは、1884年に吉田茂の養父・健三が別荘として建てたもので、吉田茂は1945年ごろから生涯を閉じる1967年まで過ごしました。政界引退後も多くの政治家が邸宅を訪れ、その様子は当時「大磯参り」と言われていたのだとか。
邸宅ではあるものの、アデナウアー元西ドイツ首相や、当時の皇太子殿下(現・上皇)と同妃殿下(現・上皇后)など、国内外の要人が招かれたり、吉田茂没後には、時の首相・大平正芳とアメリカのカーター元大統領の日米首脳会談が実施されたりと、近代政治の表舞台としても利用された場所でした。VIPになった気分で見学してみてはいかがでしょうか。
  • 楓の間
    応接間として使われた場所で、吉田茂の執務机やソファーセットが置いてあります。飾り棚には、ジョン・ダレス元アメリカ国務長官やアデナウアー元西ドイツ首相など、訪れた要人の写真が。 大平元首相とカーター元大統領の日米首脳会談は、この部屋で行われたのだとか!
  • 書斎
    書斎として使用していた部屋には、掘りごたつが。この部屋は吉田茂のプライベートな部屋で、限られた人しか入室を許可されなかったそう。 ここにある黒電話は、首相官邸への直通電話で、大磯の邸宅にいながら総理大臣としての執務を行っていた姿が浮かびます。
  • ローズルーム
    大きなテーブルが置かれたこちらは、食堂として使用されていた部屋で、ローズルームとも呼ばれていたのだとか。アール・デコ調の室内が特徴です。
  • 日本庭園
    各部屋から見える日本庭園は、心字池(しんじいけ)を邸宅の正面に配置した池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)の庭園。庭園設計者の中島健は、花を愛した吉田茂の好みをふまえ、ツツジやウメなどで色彩豊かな庭造りを心がけたそうです。
  • 金の間
     VIPのみが入室できた「金の間」。 賓客を迎えるための応接間として利用され、この部屋からは箱根や富士山といった山々と太平洋を一望することができます。 吉田茂は、この部屋から見える富士山がお気に入りで、毎日のように眺めていたそうです。

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旅のお土産は「湘南レッド」に決まり!
旅のお土産は「湘南レッド」に決まり!
「かながわの名産100選」にも選定された「湘南レッド」は、艶やかな赤紫色の色合いが特徴の赤タマネギ。通常のタマネギに比べて辛味が少ないので、生のまま食べられるのだとか。ぜひ、そのままいただいて、甘みやシャキシャキとした食感を楽しんでみては?スライスしてカツオ節をかけて、しょう油やマヨネーズであえるのも、おすすめです!

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