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横須賀のパンとお菓子の話【歴旅コラム】

横須賀のパンとお菓子の話【歴旅コラム】

横須賀製鉄所とパン食文化

慶応元年(1865年)、横須賀に近代的造船所である横須賀製鉄所の建設が始められました。建造に係わったのはフランス人フランソワ・レオン・ヴェルニーを首長とした60人余りのフランス人技術者の力を借りてのことです。フランス人たちの食事は同国の料理人やパン職人によって賄われ、また日本人にも料理の技術やパン製造技術を習得させていました。製鉄所内には直径約2.7メートルの円形の石窯が置かれ、鰹節型のフランスパンが焼かれていたと伝わっています。横須賀は、早くからヨーロッパのパン製造技術が伝わった町なのです。

製鉄所開設当初からの西洋方式の食事スタイルは、フランス人技術者が去った後も継承されていきました。その後、海軍が脚気予防のためパン食を励行したこともあいまって、横須賀のパン食文化は、海軍の都市を背景として発展していきました。明治20年代以降、製パン業の店が開業されていきました。これらの店は製パンだけでなく和洋菓子も製造され、飴パン、ジャムパン、クリームパンといった菓子パンが造られる割合も高かったのです。

大正13年(1924年)頃にはカステラ製造も行われており、ロールカステラ、シベリア、シュークリームなども製造されており、住民の嗜好を楽しませていました。それが現在のスイーツ菓子に繋がっているのかもしれません。

横須賀のフランスパンは、現在一般的に販売されている堅焼きフランスパンとは形が異なり、円形で生地が柔らかく、表面には白い粉がついています。これをソフトフランス、あるいは白いフランスパンとも呼んでいます。

「ソフトフランス」と「シベリア」

  • ソフトフランス
横須賀中央駅前にあるパン店 「ヨコスカベーカリー」は、昭和3年(1928年)創業の時から変わらぬ製法で製 造されている 「元祖フランスパン」が看板商品です。こちらのフランスパンは、ソフトフランスともいわれ、バケット等の名でなじみの堅焼きフランスパンでなく、丸い形で生地が柔らかく、表面に白い粉がついているパンです。

一説によると、横須賀製鉄所で焼かれていたフランスパンの焼きあがり時間を短縮するために製造されたパンを、日本人向けに改良したものが当店のフランスパンといわれています。
  • シベリア
その他に、昔から製造販売されていて、最近人気が復活してきた「シベリア」も販売されています。

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ヨコスカベーカリー
住所:神奈川県横須賀市若松町3-11
電話:046-822-0233
営業時間:8:00~20:00
定休日:日曜日

神奈川県指定銘菓「角なしさざゑ最中」と「海軍羊羹」

  • 角なしさざゑ最中
横須賀中央駅前にある「さかくら総本家横須賀中央本店」は、明治24年(1891年)創業の和菓子店の老舗です。お勧めは神奈川県指定銘菓に選ばれている「角なしさざゑ最中」です。

角なしさざゑとは、日蓮上人が安房から鎌倉へ向かう道中、船で米ヶ浜の海岸に上陸した時、地元の石渡左衛門が上人を背負いお渡しした途中、サザエの角で足を痛めたので、上人が経文をとなえたところ血が止まり痛みもなくなり、それ以来、この浜のサザエには角がないという伝説から付けられた名です。
  • 海軍羊羹
また「海軍羊羹」は、各地の海軍鎮守府に納めていた羊羹を当時のままに再現した羊羹です。

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さかくら総本家 横須賀中央駅前店
住所:神奈川県横須賀市若松町3-18
電話:046-823-0875
営業時間:10:00~18:00
webページ:http://www.wagashi-sakakura.com/index.html

記事提供:NPO法人 よこすかシティガイド協会

(記事公開日:2021/2/26)

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