伊藤博文公ゆかりの大磯の名料亭『松月』【食のコラム】

伊藤博文公ゆかりの大磯の名料亭『松月』【食のコラム】

明治期以降、多くの政治家が邸宅を構え「政界の奥座敷」と呼ばれた大磯。明治36年創業の老舗料亭『松月』は、初代内閣総理大臣・伊藤博文ゆかりの店として、今も町の歴史を見守り続けています。多くの政治家や文化人に愛された料理を通じて、往時の面影が息づく大磯の歴史と文化を感じてみませんか。

※本コラムは、かながわガイド協議会構成団体である「大磯ガイド協会」より寄稿いただきました。

大磯の歴史とともに歩んできた『松月』

大磯駅前、画家・堀文子の揮毫による「湘南発祥の地」碑の傍にたたずむ数寄屋造りの料亭が『松月』です。初代内閣総理大臣・伊藤博文の本邸「滄浪閣」で総料理長を務めた松尾千代吉は、明治36年(1903)この地で創業をはたします。創業時、千代吉が博文公と松林を散策した折、博文公が月を眺め『松月』と命名したというエピソードが残っています。震災・戦災による二度の全壊・全焼を越えて120年以上の歴史を刻んできました。

伊藤博文公が愛した、名物「玉子焼」

玉子焼は、伊藤博文公が好んで召し上がった逸品です。大根おろしを添えてお出ししていたと伝わり、現在も当時と変わらぬ味で提供されています。玉子焼は店内で味わえるほか、お土産としてお持ち帰りもでき、大磯のまち歩きに彩を添えてくれます。創業時に博文公より賜った掛軸「壽 且康」には、博文公の雅号「滄浪閣主人」がしたためられており、関東大震災や太平洋戦争の戦火を免れて大切に保存され、創業の物語を今に伝えています。

三代にわたり受け継がれる料理への想い

「料理とは材料の厳選に始まり、調理、味つけ、盛り合わせ、これを宴席に出すタイミング、さらには、お座敷のしつらえ、床の掛軸、花のあしらいに至る一連の雰囲気を提供するものだ。」という初代・千代吉の想いは、現在の三代目まで大切に受け継がれています。四季のうつろいを映した懐石料理は、季節感を大切にし、手間を惜しまず、素材の味を最大限に引き出した品々。落ち着いたお座敷でゆったりとお楽しみください。

文化人ゆかりの味を楽しむ、まち歩きの寄り道

椅子席では、月替わりのミニ懐石(先付け・お造り・揚げ物など)を気軽に味わえます。作家・獅子文六や高田保が好んだ天重、文豪・島崎藤村が味わった抹茶など、文化人ゆかりの味も魅力のひとつ。まち歩きの途中で立ち寄り、玉子焼とお汁粉でほっと一息つくのもおすすめです。長くこの地で親しまれてきたお弁当は、昭和の名宰相・吉田茂の国葬時の弔問客に供され、上皇后美智子さまの女官長・井上和子さまにもご用命いただきました。

老舗の味で先人の足跡に思いをはせるひととき

地元の方々にも親しまれ、節目の日や晴れの日に一席設ける場としても利用されてきた『松月』。落ち着いたお座敷、予約不要の椅子席に加え、敷地内のお茶室は茶事にも利用可能です。明治以降、多くの政・財界人、芸術家・文化人が暮らした大磯の地。まち歩きを楽しんだ後は、伝統の料理を味わいながら、先人たちの足跡に思いをはせてみませんか。 

『松月』 
神奈川県中郡大磯町大磯871
電話:0463-61-0037 
メール:s.shougetsu@gmail.com
定休日:月曜日 
営業時間:ランチ 11:30~15:00 ディナー 17:00~21:00 
備考:座敷と玉子焼お土産は要予約、弁当は不定期のため応相談。
駐車場3台。 

※本コラムは、かながわガイド協議会構成団体である「大磯ガイド協会」より寄稿いただきました。
  • 神奈川県PRキャラクター かながわキンタロウ
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