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御柱祭 ついに神奈川で実現!

御柱祭 ついに神奈川で実現!

横須賀市大津町に鎮座する「大津諏訪神社」では、2025年5月17日(土)18日(日)に「御柱祭」が斎行されます。

2024年にご鎮座1200年という記念すべき年を迎えた大津諏訪神社では、この節目を祝し、十数年前から、信州・諏訪大社の伝統神事「御柱祭(おんばしらさい)」を横須賀で再現する壮大なプロジェクトが始動しました。2014年のプレ御柱祭を経て、いよいよ、待望の1200年奉祝事業「御柱祭」本番です。

本特集では、その本番を目前に控えた春の日に、長年にわたる挑戦と準備の物語を辿りながら、御鎮座1200年奉祝記念事業運営委員長と大津諏訪神社総代に、御柱祭にかける熱い思いを伺いました。





諏訪の魂が息づく奇祭「御柱祭」とは?


御柱祭(おんばしらさい)と聞けば、巨大なもみの木「御柱」に氏子たちが勇敢果敢にまたがり、急勾配の坂「木落し坂」を滑り降りる、あの勇壮な姿を思い浮かべる方も多いでしょう。
長野県・諏訪大社で、平安時代から1200年以上にわたり、7年に一度斎行される「式年造営御柱大祭」が受け継がれてきました。新たな宝殿の造営とともに、山から切り出した巨大な木を曳行し、境内に建立する一連の儀式は、そのすべてが諏訪の氏子たちの奉仕によって執り行われる、誇り高き伝統神事です。

【諏訪大社について】
諏訪大社は、長野県・諏訪湖を中心に、二社四宮(上社本宮・上社前宮・下社春宮・下社秋宮)からなる神社で、全国に約一万社ある諏訪神社の総本社とされています。
古くから「諏訪大神(すわのおおかみ)」として、また親しみを込めて「お諏訪さま」と呼ばれ、雨・風・水を司る龍神の信仰とともに、広く崇敬を集めてきました。

横須賀・大津諏訪神社で「御柱祭」を!

【大津諏訪神社について】
横須賀市の大津諏訪神社は、天長元年(西暦824年)、信濃国・諏訪大社より御分霊をいただき、当地に鎮座したと伝えられています。
関東大震災(1923年)では、社殿が倒壊し、周辺の集落も甚大な被害を受けましたが、氏子たちの篤い信仰心に支えられ、各集落の氏神様もあわせて合祀し、被災からわずか一年半後には大津の総鎮守として再興を果たしました。2024年の改修前まで残っていた社殿は、本殿が旧矢之津神社、拝殿が旧白山神社のものであり、損害の少なかった両神社の建物を氏子たちの手によって移築・再興したものでした。
さらに、氏子中九か所十神社の御祭神も合祀され、大津地区の団結の象徴として、地域の心の拠りどころとなっています。

このたび御鎮座1200年という大きな節目を迎えるにあたり、奉祝事業の一環として、神賑(かみにぎわい)を目的に、「諏訪大社の伝統的な御柱祭を、ぜひ大津の地でも実現させたい」という熱い想いが氏子たちの間で芽生えました。十数年前から始まったこの壮大な挑戦は、地域の力を結集しながら、着実に歩みを進めてきました。

熱気あふれる「プレ御柱祭」の記憶 ~2014年~

大津諏訪神社での「御柱祭」実現に向け、諏訪の氏子と大津の氏子による幾度もの真摯な協議と、揺るぎない熱意が実を結び、2014年には「プレ御柱祭」が斎行されました。大津公園から神社境内までの約800メートルを御柱が里曳きされ、当日は約15,000人もの観覧者が訪れ、町全体が祭りの熱狂に包まれました。この時の確かな手応えと、参加者たちの情熱こそが、今まさに迎えようとしている「大津諏訪神社 御鎮座1200年奉祝事業」の原動力となっています。2014年のプレ御柱祭は、1200年の歴史を未来へ紡ぐ、力強い一歩となりました。

  • プレ御柱祭2014①
    里曳きの様子
  • プレ御柱祭2014②
    里曳きの様子
  • プレ御柱祭2014③
    建御柱の様子

「御柱」横須賀・大津の里へ ~2025年~

■20253月:御柱となる大樹の伐採
大津諏訪神社の氏子ら約30人が、信州・辰野町の山林を訪れ、茅野市の宮川茅野地区の氏子有志の協力を得て、御柱となる立派なもみの木の伐採を行いました。

■20254月:御柱の木造りと曳き綱の制作
3月に伐採された大樹は長野県茅野市宮川へと運ばれ、現地で約250名の氏子有志のご協力を得て、木造りと綱打ち作業が行われました。木造りとは、木の皮を丁寧に剥き、御柱の前部と後部にV字形の「メドテコ」取り付けるための穴を開け差し込む工程です。綱打ちとは御柱を曳行するための太い綱を、細い縄から丹念に編み上げていく作業です。

「御柱祭」に向けて着々と準備がすすめられ、
いよいよ、「御柱」が大津の里へとやってきます!

  • ご神木伐採(2025年3月)
    辰野町の区有林より樹齢128年のもみの木が選ばれました。
  • ご神木伐採(2025年3月)
    全長約25m以上、周囲3.2mという大樹を譲り受けました。
  • 綱打ち(2025年4月)
    240本の滑縄を束ね太さ30㎝長さ20mに撚り上げられました。
  • 木造り(2025年4月)
    メド穴を彫りメドデコが取り付けられた様子。

5月17日(土)・18日(日)
大津諏訪神社 「御柱祭」斎行!


神奈川県内では類を見ない、大規模な神事となる大津諏訪神社の御柱祭は、信州を飛び出した御柱祭を体感できる、またとない貴重な機会です。大津諏訪神社の氏子たちの威勢の良いの掛け声と信州・諏訪から応援に駆けつける約280名の氏子たちの木遣り唄やラッパの音が、大津の里で響き合い熱気に包まれることでしょう。2025年5月17日(土)・18日(日)は、神奈川県で御柱の迫力を“生”で感じられる奇跡の2日間。ぜひその目で、心で、体で、信州・諏訪と横須賀・大津の固い絆が織りなす御柱祭の醍醐味を、存分にご堪能ください。

開催概要
■ 5
17日(土)〈里曳き〉10:00より
大津運動公園を出発した御柱が、国道134号線を横断し、諏訪神社の鳥居をくぐります。
数百人の担ぎ手によって曳かれる御柱の圧倒的な迫力と、沿道からの熱い声援が一体となる瞬間は、まさに息をのむ光景です!
地元の神輿や山車も祭りに華を添え、一層の賑わいをみせるでしょう。 

■ 518日(日)〈建御柱〉12:00より
境内で行われる「建御柱(たておんばしら)」では、御神木が悠然と大地に立てられます。
この神聖な儀式は、ご鎮座1200年の改修を終え、壮厳な姿となった社殿を背景に斎行されます。
また、大津公園周辺では、地元ならではの露店や、祭りを盛り上げる多彩なイベントも開催されます。

〇主催:御鎮座1200年奉祝記念事業御柱祭実行委員会
〇協力:大津諏訪神社
〇後援:一般社団法人横須賀市観光協会/横須賀商工会議所/大津観光協会/大津地区社会福祉協議会/大津地区連合町内会
〇お問い合わせ:御柱祭実行委員会(大津諏訪神社内)TEL046-836-3570

ご鎮座1200年記念事業に込められた想い

今回の記念事業の最も重要な目的の一つは、これまで主祭神としてお祀りしてきた建御名方命(たけみなかたのみこと)の妃神である八坂刀売神(やさかとめのかみ)を、新たに信州諏訪大社よりお迎えし、ご夫婦の神様としてお祀りすることで、「家庭円満」や「家内安全」の御神徳、そして深い御神縁をいただくことにあります。2024年には本殿の改修や裏山の整備が完了し、女神様をお迎えする準備が整いました。その慶びを分かち合う神賑わいの一つとして、この御柱祭が斎行されます。

あとがき

  • 2025年4月8日撮影
小学生の頃から約20年間を過ごした、故郷とも言える横須賀を、取材させていただきました。昭和50年代、横須賀の祭りの圧倒的なエネルギーは、今も私の心に深く刻まれています。時が流れ、こうして再びこの地で、特別な「祭」を取材できることに、深い感慨を覚えます。飾らない横須賀の魅力、そして御柱祭に込められた人々の情熱を、ぜひ皆さまにも肌で感じていただけたら嬉しいです。(かながわNOW編集担当)

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